映画『キャッシュトラック』を見た。

食費を削って、映画を見に行った。

 

ガイ・リッチー監督作品を初めて見たけれど、すぐにその志向がよくわかった。

この人はプロットを綿密に作っていじるタイプの人だ。

プロットとは、物語全ての設定と、そのどの部分をどんな順番でどんなふうに見せるか語るかを決める行為ととらえている。

今作では時系列をいじっていた。


ジェイソン・ステイサムは、筋肉が凝縮された小男だ。

小男と言っても、アメリカでの話だが。イギリスイギリス言われていたが。

ステイサムが、そもそもガイ・リッチー作品から映画界に出てきたことに驚いた。

もっと、めちゃくちゃな、ロッキーのシルベスター・スタローンや、沈黙の要塞みたいのから出てきたのかと思った。

そうではないんだな。


本来の題名は『男の怒り』
本来は、神の怒りをもじった題名だが、まったく違うものとなっている。

マジック・ザ・ギャザリングのラースオブゴッド。

ちょっと残念かも。

題名から感じる知的さが違うよね。ガイ・リッチーはもっと知的に扱うべきだ。

 

 

<以下ちょっとネタバレ>


ストーリーラインで唯一わからなかったのが、主人公が部下に頼まれて、トラックの出る方向を教えたシーン。
あれは非常に重要なシーンであるのに、今一つ詳細のわからないシーンになってて、心に引っかかって、その後の没入の邪魔になった。

主人公のシンジケートがトラックを襲おうとしていて、その方向を教えたのか。
その実行犯が、あの退役軍人たちだったのか。

それとも、主人公のシンジケートがトラックを襲おうとしていたが、あの退役軍人たちに先を越されたのか。

どっちだろうか。

後者っぽいかな。

プロット巧者すぎて、情報の出し方に穴が出てしまったのか。

スリードを狙ったのか。

 

ちょっともったいない。でも、面白かった。